copal(児童更生施設)@山形市
先日、山形市の子育て支援センターcopalという子育て用の大きな施設へ行ってきたので備忘になります。
この建物は県が推進する計画の一環でPFI方式(民間資金により公共施設を整備)にて令和4年4月に建てられた施設になります。
コンセプトは
「すべてが公園の様な建築」
「ひと繋がりの空間の中に様々な居場所」
「遊びを触発する空間」
「五感を大切にする空間」
「誰もが一緒に遊べる仕掛け」
なるほど入った瞬間に角がない流線型の作りと(柱が見えない)、子どもだけでなく大人も顔が生き生きしているのを見てなるほどと納得。大事な要素としてインクルーシブをモットーとしておりインクルーシブとは年齢、国籍、障害の有無等に関係なく全てを受け止めるという意味の通り、障害者用の車椅子があったり(他県からこの為だけにくる方もいるらしい)、今まで25カ国から来場があったり令和4年から35万人もの来場があったとの事です。
構築にあたって注目すべきは”創造会議”なるもので構築の段階から地区の協議会・学校関係者・行政などが加わり意見の相違はあるものの志は一つのもと、最終的には最適解に至り様々な工夫が施設には見受けられます。
主な特徴として
①外のブランコは自分で体重を支えることの出来ない子供達も乗れるブランコも完備
②体育館に西日が直接当たらない様、入り口を西側に持ってきた(その奥に体育館)
③入り口から初めに見える施設を体育館にすることにより子どもの関心を体育館に向ける(遊技場の混雑回避)
④利用は事前予約と当日券としMAX90分無料(大人の体育館利用は有料)
⑤係員は有償ボランティアとし18歳〜80歳までの約50名が在籍(中には引きこもりの方もいるがここだけは来る事ができるとの事)
⑥年5回屋外マルシェ&イベントを行い地域と一体化をしている
⑦雰囲気が明るいだけでなく誰かに相談したいときも訪れたくなる空間も作成
財政的な面は
総事業費:約40億円
・設計・建設費:約20億円
・運営費:約12億円(年間8億円)
・運用期間:令和4年〜令和18年(15年間)
終わってからの個人的感想は
何と言っても子どもだけでなく大人も生き生きしているのが分かる、エネルギーが溢れる空間だった様に感じます。子供が遊んでいる傍らボールでリフティングをしたり、バスケのシュートをしたりと、皆楽しそうでした。
また驚かされたのが危険だからと行って年齢含め規制は一切なし。館長の式部さん曰く危険も遊びの一環。人間には危険を察知する本能があるのだからそれも刺激しないと駄目との事。最近の過保護教育に逆行しそうですが私は子どもの膝小僧にかさぶたがない方が考えられないし、実際この施設が開館してから怪我をしたとの報告は一件も上がっていないとの事で方向性は間違っていないと思います。
とても羨ましい空間でした。