姉ヶ崎火力発電所
先日、袖ケ浦市議会として市原市姉ヶ崎にあるJERA姉崎火力発電所に行って来ました。
1月末にJERA武豊火力発電所(愛知県武豊町)でバイオマス爆発火災があり、千葉県京葉工業地帯でも一歩間違えば大きな災害となってしまう為、どの様な取り組みをされているかとても興味がありました。
まず概要として現在、旧火力発電の老朽化に伴い新1〜3号機の新しい火力発電に変わっています。液化天然ガス(LNG)を燃料とするコンバインドサイクル発電で1基あたり約150万世帯分の電力を賄い、CO2排出量を3割&年間60万トン旧火力発電と比べて削減されています。また煙突の高さも80mで大気への拡散ができ(排気ガスの種類が変わって来ている為)、発電熱効率も60%を超え世界トップクラスとなっています。
数ある中で特に気付かされたのがデジタル化。以前は戦艦司令室の様なボタンと計測器に囲まれていたが今は全てPCの画面上から遠隔操作で制御可能であり効率化と省スペース化に寄与しています。東京などの遠隔地でもリアルタイムでデータの共有が可能となり、今までの「監視とトラブル対応」から、「予知・予防」への業務転換がなされたとの事です。従業員の方々もスマホとタブレットで独自アプリを使い殆どの業務をこなしているのを見て工場のICT化が進んで来ていると実感しました。
そして最新技術が詰まったタービンですが、これは点火されたガスが水蒸気を起こしその水蒸気でタービンが回り電力が発生します。ガスタービンを回す為の燃焼温度は以前は1300℃だったものが1600℃を超え機材も溶けない様、部品技術と特殊なコーティングがなされているとの事(温度が高い程燃焼効率が良くなります)。回転させる為に必要な空気・水(海水)も故障の元になるゴミを吸い取らない様、フィルターが仕掛けてあり如何に改善を重ねて来たかが分かります。
また点火用の天然ガスを富津よりガス管を介して引っ張って来ていますが、規制緩和の一環で発電用とは別に2018年より都市ガスとして託送供給をしています。ガス会社も発電売買業務をしている事から業界の垣根がなくなって来た事も改めて気づいた点でもあります。
巨大な工場で日本一(いや世界一)の火力発電設備を見せて頂きとても感謝すると共に改めて日本の重工業技術の高さを実感させて頂きました。この場を借りて改めて感謝致します。