〜視察報告〜①芽室町

4月23日 総務企画常任委員会にて視察へ。外は昼でも肌寒く桜がほとんど満開です。
北海道十勝平野のほぼ中央に位置する、面積513平方キロメートルの広大な街、芽室町。ゲートボール発祥の地として知られるこの穏やかな町で、令和5年、町政史上初となる、町議会議員選挙の「無投票当選」となりました。定数16に対し、立候補者も16。選挙戦が行われないという危機的状況を前に、現職議員たちは、保身ではなく「自らのライバルを育てる」という攻めの姿勢を取りました。

  1. 驚きの「なり手」育成術:現役議員が教える「議員の学校」の実像
    芽室町議会が打ち出した令和6年4月に開校した「議員の学校」。これは単なる啓発イベントではなく、なり手不足という構造的課題に対する、持続可能な議会を維持するための構築です。
    受講生の属性と構成: 第1期生は14名。そのうち約8名が既に「議会モニター」を経験しているとの事。これは、議会に一定の関心を持つ層を「傍聴者」から「当事者(候補者候補)」への仕組みとして機能しています。
    カリキュラムの密度: 9月まで全6回にわたるコースで、現役議員が自ら講師を務めます。「議員が講師となり、仕組みや役割、1年のサイクルをリアルに伝える」ことで、現場の解像度を極限まで高めています。また議員報酬の実情や、ハラスメント防止条例の整備など、なり手が不安に感じる「負の要素」をあらかじめ公開し、立候補への門戸を広げています。
  2. 「通年議会制」
    多くの地方議会が「年4回の定例会」という伝統的なルーティーンに依存する中、芽室町は5月から翌年4月までを会期とする「通年議会制」を採用しています。
    圧倒的な活動量: 各常任委員会が年間約20回、全体会議を含めれば年間30回以上の会議を開催。
    迅速な対応: 災害対応や急を要する政策課題に対し、常にシステムが「起動状態」にあるため、即座に議会としての意思決定や調査が可能です。
  3. 匿名・予約不要の「オープンな傍聴」
    透明性を高めるため、芽室町議会は住民参加の「ユーザーインターフェース」を徹底的に簡略化しました。かつての傍聴制度にあった氏名記入や事前予約を完全に廃止。誰が来ているか議員にもわからないほど、プライバシーに配慮した「ふらっと立ち寄れる」環境を構築しています。
  4. 「政策サイクル」の確立:執行部との真剣勝負
    芽室町議会の真骨頂は、平成26年から本格運用されている「政策サイクル」という一連のフィードバックループにあります。
    「町民との意見交換会」→「委員会調査」→「政策提言」という一連のフローは、議会を単なる「事後承認機関(ラバースタンプ)」から、実質的な政策立案への動きと変貌させました。
    執行部(行政側)との関係について、事務局の安田氏は「生煮えのものがだんだん委員会を通過することに熟度が高まって、そして提案という流れが習慣になっています」との事。
    これは、予算や条例の提案前に委員会で事前議論を重ねることで、執行部が「この内容では議会を通らない」と察知し、自発的に修正してくるというこの緊張感は、二元代表制が理想的に機能していると言えます。
  5. 終わってからの感想
    「高校生との意見交換会」や「広報紙を毎月発行」など、これでもかと試みる姿勢は、成り手がない、投票率も下降気味という中で危機感の表れであるとともに、副議長が「真摯に取り組んでいる方が無投票など議会に関心を持たれないとは皮肉」と話された事がとても印象に残っています。袖ケ浦市は投票率は芽室町より低いものの前回選挙では22名議員のところ30名の立候補と有難い状況です。現状に満足せず如何に市民の方々に関心を持ってもらえるか議員一同、個人としても考えていきたいと思います。

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