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- 帯広市=日本の食糧基地
北海道・十勝平野の中央に位置する帯広市。このエリアを含む十勝19市町村の食糧自給率は、カロリーベースで実に1300%を超えます。日本の食糧基地として圧倒的なポテンシャルを誇り、農業産出額は約3,770億円(2021年)と、県単位である千葉県に匹敵する規模です。
一見、デジタルとは無縁の「豊かな農村」に見えるこの地域が、今、死活をかけてDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進しています。帯広市は現在、隣接する音更町、芽室町、幕別町と「帯広圏1市3町」の広域連携を強化しています。そこでのDXの取組みを、ICT推進課の三上様より説明頂きました。
- 標準システム(ガバメントクラウド): 帯広市の試算では、システム運用経費は従来の5億円から9億円へと、約2倍に膨れ上がる見込みです。サーバーやネットワーク機器の更新費用では半導体不足と世界的な需要過多により、今期予定の6億円規模のリース更新では、20%以上の価格高騰と納期遅延の影響を受けています。
独自効率の喪失: 標準化は、自治体が長年培ってきた「独自の効率化」を捨てさせる側面もあります。帯広市では、郵便番号順に書類をソートして郵便料金を安く抑える独自のシステムを構築してましたが、標準システムではこうしたカスタマイズが適用できず、結果として非効率な対応を余儀なくされます。「本市にとっては、まだまだ続く地獄のデスマーチと考えています。」この発言は現場の悲痛な叫びです。
因みに袖ケ浦市の場合はどうかというと、国が進める標準化仕様(ガバメントクラウド)は昨年の秋ごろに終わっており令和5年度の約1億2,800万円(当初予算)から令和8年度は約1億4,900万円と約16%増加していますが、増額見通しが他市と比べて抑えられたのは、ガッツリ組んだベンダーとの協働や物価がMaxで高騰する前に構築出来た事によります。
- DX人材育成の過酷な現実と「トリミング」の思想
DX人材を育成していく為に、帯広市は業務を根本から再構築する「BPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)研修」を行っています。13人の職員が志願して始まった研修でしたが、多忙を極める通常業務の合間+ハードな課題をこなすため、最終的に完走できたのはわずか5人でした。
事業のトリミング: デジタル化の前に、まず不要な業務を「トリミング」して余力を生み出し、それを付加価値の高い住民支援へ再配置していきます。
- 行政特化型生成AI『コンモンズAI』
予算が限られる地方自治体にとって、帯広市が導入した行政特化型生成AIプラットフォーム『コンモンズAI(Qommons AI)』。特筆すべき点は、コスト構造とセキュリティです。
コストゼロ: 初期費用・月額費用ともに「ゼロ」で導入可能。
行政特化の利便性: 全国の議会議事録や法令を学習しており、議会答弁の要約や住民対応の案作成に特化。
安全性の担保: 自治体の閉鎖環境のみで稼働し、入力データが外部のAIモデルに学習されません。https://qommons.ai/forgot
- 行政窓口のオンライン化と「待たない窓口」の実現
行政窓口のデジタル化は、市民の「書く手間」「待つ時間」「移動する負担」を削減し、同時に職員を単純な入力作業から解放して専門的な相談業務へシフトさせるインパクトを持つ。
「待たない窓口」の実現と『FrontDesk』の導入:帯広市では、デジタル先進国デンマークの事例を参考に、オンライン予約機能付き発券システム(FrontDesk)を導入した。来庁前にスマホで混雑状況を確認し予約できる仕組みにより、市民の心理的負担を軽減している。先行自治体の事例では、平均待ち時間が60分から15分へと大幅に短縮される劇的な効果が確認されており、窓口の混雑平準化による業務効率化も実現している。
- モビリティと生活インフラ
除雪・スクールバス管理の可視化:芽室町等で導入されている管理システムは、除雪車やスクールバスの現在位置をリアルタイムで公開している。これで住民は「自分の前の道路の除雪状況」を把握し、外出計画を立てることが可能となった。ただし、近隣の自治体間(例:芽室町から帯広市)への通勤・通学者が多い中、自治体ごとにシステムが分断され「コストvs広域利便性」等のジレンマも顕在化しており、今後は圏域一体でのデータ統合が課題となるとの事。※袖ケ浦市でも”チョイソコがうら”が君津中央病院に行けない等…
自動運転技術への戦略的展望:袖ケ浦市では、今秋より「レベル2」の自動運転バスを導入し、将来的な「レベル4」実装を見据えた先進的な取り組みを開始します。帯広市では、国の補助金終了や車両確保の難しさから実証実験段階で足踏みしている現状があります。インフラの高度化には、一時的な実験に終わらせないための持続的な財政スキームと、走行データの蓄積が不可欠となります。
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